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Ⅰ プロジェクトの概要

(目的)

現在、我が国のライフサイエンス分野のデータベースとしてDDBJ(国立遺伝学研究所)、PDBj(大阪大学蛋白質研究所)、KEGG(京都大学化学研究所)などが国際的に高い評価を受けている一方で、多くのデータベースについて、各機関や各プロジェクトで個々にデータベースが作られ、これらを関連付けて使おうとしたときに使い勝手が悪い、基本的サービスの多くが海外に依存していて、継続的に維持されない等の指摘も寄せられており、国内主要データベースの統合化と継続的な維持方策の必要性が指摘されている。

本プロジェクトは、我が国のライフサイエンス関係のデータベースの利便性の向上を図るため、我が国のライフサイエンス関係データベース整備戦略の立案・評価支援、データベース統合化及び利活用のための基盤技術開発、ポータルサイトの整備等を行い、統合化を推進することを目的としており、文部科学省が委託事業として実施しているものである。

(期待される効果)

本プロジェクトを通じて将来整備される「生命情報の統合化データベース」は、個々の分子生物学研究において蓄積されたデータが戦略的に統合され、付加価値の高いデータベースとして整備されるもので、幅広いライフサイエンス分野の研究者等がこれを活用し、今後の我が国におけるライフサイエンス分野の科学技術の進展に大きく貢献していくことが期待される。

これまでの研究成果の蓄積を網羅的・安定的に利用できるようになり、ライフサイエンス研究の発展に不可欠な基盤となる。

また用法や様式をまたいだ検索機能の開発等による既存データの新たな活用や、産業界・医学関係者等による応用利用を通して新たな知見が得られる。

(実施期間)

平成18年度~平成22年度(開始後3年度目に中間評価を実施)

(予算)

    平成18年度 2.5億円
    平成19年度 16億円
    平成20年度 11億円

(実施体制)

背景となる国の考え方については、「我が国におけるライフサイエンス分野のデータベース整備戦略のあり方について」(平成18年5月 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 データベース整備戦略作業部会報告書(参考資料(1))。以下「データベース整備戦略作業部会報告書」という。)を参考としている。

平成18年度は、大学やさまざまな研究機関に蓄積されている生命科学関連の情報を横断的に利用可能とする統合データベースの構築が将来のライフサイエンス研究を支える基盤であるという考えに基づき、フィージビリティ・スタディとしてその整備を進めるために必要な戦略の検討と技術開発を行うため、「戦略立案支援・実行評価支援」、「統合データベース共通基盤技術開発」及び「ポータルサイト整備・広報、普及啓発」の3つの柱について、それら全ての統合化を推進する機関を公募・選定した。

採択された機関名、課題名『カギカッコ内』は以下のとおりである。

《代表機関》 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
『統合戦略立案評価および統合化基盤技術開発』
《参画機関》
独立行政法人科学技術振興機構『ポータルサイト構築』
国立大学法人九州大学『データベース統合化基盤技術開発』

平成19年度からは、平成18年度の取り組みの成果を基に、統合データベースの開発・整備に向けて本格的に推進すべく、「戦略立案・実行評価」、「統合データベース開発」、「統合データベース支援」の3つの柱について実施することとした。

実施機関の選定にあたっては、事業の3つの柱の全てを担う中核機関、及び中核機関の下に「統合データベース開発」の一部を担う分担機関、さらに統合化を一層加速する観点から、中核機関の示す統合化方針に従い、自ら保有するデータ又はデータベースを中核機関に提供する補完課題実施機関を公募・選定した。

採択された機関名、課題名『カギカッコ内』は以下のとおりである。

【中核機関】
《代表機関》
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
『ライフサイエンス統合データベース開発運用 (戦略立案・実行評価/統合DB開発/統合DB支援)』
《参画機関》
(1)独立行政法人科学技術振興機構
『統合データベース支援:意見集約システム運用/広報/データベース受入・運用』
(2)独立行政法人産業技術総合研究所
『統合データベース開発: ワークフロー技術を用いた統合DB環境構築』
(3)財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所
『統合データベース開発: 植物及び植物関連微生物のゲノム情報データベース統合と高度化』
(4)国立大学法人東京大学
『統合データベース支援:DB構築者の養成』
(5)学校法人関西文理総合学園 長浜バイオ大学
『統合データベース支援:アノテータ・キュレータの教育』
(6)国立大学法人お茶の水女子大学
『統合データベース支援:DB高度利用者の養成』
(7)国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
『統合データベース開発: 専門用語辞書管理システムと専門用語解析技術の開発』
(8)国立大学法人九州大学
『統合データベース開発:多型知識表現技術開発』
《分担機関》
(1)国立大学法人京都大学『ライフサイエンス知識の階層化・統合化事業』
(2)(代表機関)国立大学法人東京医科歯科大学
『統合医科学データベース構築方式の開発』
  (参画機関)国立大学法人大阪大学
『統合医科学データベース構築方式の開発』
(3)(代表機関)国立大学法人東京大学
『疾患解析から医療応用を実現するDB開発 (ゲノムワイド関連解析のデータベース開発)』
  (参画機関)国立大学法人東京大学医学部附属病院
『疾患解析から医療応用を実現するDB開発 (リシークエンスDBの開発)』
         学校法人東海大学
『疾患解析から医療応用を実現するDB開発 (ゲノムワイドSNPの統計遺伝学的解析手法の開発)』
         株式会社日立製作所
『疾患解析から医療応用を実現するDB開発 (ゲノムワイドSNPの疾患関連解析手法の開発)』
《補完課題実施機関》
(1)独立行政法人理化学研究所
『植物オミックス情報および蛋白質構造情報』
(2)独立行政法人産業技術総合研究所
『糖鎖修飾情報とその構造解析データの統合 (糖鎖科学統合データベースの構築)』
(3)大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
『塩基配列アーカイブのデータベース構築と統合への貢献』
(4)国立大学法人九州工業大学
『生体分子の熱力学データと構造データの統合』

(公募・選定の経緯)

本プロジェクトにおける実施機関の選定は、研究機関等を公募し、外部有識者により構成される選考委員会において書面および面接ヒアリングによる審査を実施し、選定している。但し、補完課題実施機関の選定においては、書面審査のみにて実施した。

これまでの公募・選定の経緯は以下のとおりである。

・平成18年度公募・選定
平成18年7月3日~同7月31日
一般公募の実施
平成18年8月29日
受託実施機関選考委員会 開催
(ヒアリング審査、採択候補の選定)

・平成19年度公募・選定
(中核機関、分担機関の選定)
平成18年12月27日
第1回受託実施機関選考委員会 開催
(公募課題、公募・審査方針の決定)
平成19年1月11日~同2月8日
一般公募の実施
平成19年2月20日
第2回受託実施機関選考委員会 開催
(ヒアリング対象課題の選考、ヒアリング審査方法の決定)
平成19年3月5日
第3回受託実施機関選考委員会 開催
(ヒアリング実施、採択課題の選考)
(補完課題実施機関の選定)
平成19年7月24日
第1回補完課題選考委員会 開催
(公募課題、公募・審査方針の決定)
平成19年8月1日~同8月30日
一般公募の実施
平成19年9月26日
第2回補完課題選考委員会 開催
(採択課題の選考)
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DDBJ(DNA Data Bank of Japan。国際塩基配列データベースを構築している拠点の一つ。
PDBj(Protein Data Bank Japan。生体高分子の立体構造データベースを国際的に統一化されたアーカイブとして運営すると共に、様々な解析ツールを提供。)
KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes。遺伝子、タンパク質、また代謝やシグナル伝達などの分子間ネットワークに関する情報を統合したデータベース。)